なぜ都市科学部(環境リスク共生学科)を選びましたか?

モンゴルで馬に乗るアリウン(AMARBAYAR ARIUNJARGAL)さん

進路を決める時期の関心とよく一致していたからです。私の出身地ウランバートルでは冬の大気汚染が深刻で、インフラ整備が求められていましたが、私は草原の環境破壊や経済格差によって遊牧民族が都市に移住していることに注目しました。環境資源(鉱物)に依存した産業構造を持つ母国は、自然と共生できるのか?共生するために環境面・経済面のどんな工夫が必要なのか?を学べると思うと期待が高まりました。また、渡日前入試という、日本に来なくても試験を受けられる非常に珍しい制度があったことも大きな決め手でした。

ある日のスケジュールを教えてください。

4年生になってからのスケジュールです。計画的に単位を取り終えれば、挑戦できることもたくさんあると思います。

時間 スケジュール
7:30 起床(朝は好きな音楽を聴いて支度をします。)
9:00 インターン出社(3年生の5月から新電力会社の新事業推進部で長期インターンシップを行っています。)
12:00-13:00 ラジオ(インターン先の会社にある社員の交流を深めるラジオ番組でパーソナリティを務めています。)
14:40 ゼミ(ゼミでは大学院生の先輩や教授が研究に必要な知識を都度教えてくださいます。一人でじっくり考えることも大切ですが強力なサポーターがいる研究室は学びが多いと感じます。)
17:00 通訳(通訳のテーマは、政治、技術、環境問題、などで、契約や交渉を目的とする場合が多いです。知識を得られて、社会勉強ができる最高の時間です。ずっとアトラクションに乗っている気分になります。)
19:00 夕食(通訳をしながらの食事です。日本の食べ物に感動する外国の方とそれを微笑ましく見る日本人の空間、素敵ですよ。)
22:00 帰宅(夜も好きな音楽を聞いて寝ます。)

都市科学部(環境リスク共生学科)の魅力を教えてください!

私は、オリジナリティを持って学べること、研究テーマが多様なこと、教授のサポートが強いことの3つだと思います。カリキュラムの通り、幅広い分野を並行して学ぶので、それらをリンクさせて独自の仮説や見解を持つことができます。特に2、3年次ではレポートの講評や掲示板を活用した学生同士の意見交換が盛んだったため、都市や環境を取り巻く多様な着地点に気づくことができました。これが、研究テーマの多様さにもつながっていると思います。また、教授の皆様は英語も万全で、国や地域に応じた論点で助言してくださいます。

あなたが取り組んでいる研究や、研究室の活動を紹介してください。

私は、効率的な温室効果ガス排出量削減策である土壌CO2 固定を促し、事業採算性の高い農業として、有機農法と不耕起農法に注目した研究を行っています。長期インターンシッププログラムに参加し企業と共同で取得したデータを用いました。私が所属する松田研究室では、数理モデル(感染症とマイワシの順応的管理)、知床や屋久島のシカ管理に必要な個体群予測の研究、海藻のブルーカーボンポテンシャル、インドネシアの金採掘の水銀リスク、カタクチイワシの適切な資源管理、などの研究テーマがあります。研究室選びでは、自分の関心がある研究をその研究室で行えるかどうか、教授との面談・相談が大事だと思います。(※松田教授は2023年3月末退職予定)

あなたが取り組んでいる課外活動を紹介してください。

ユネスコチェアキックオフ
シンポジウムの様子

直近では「ユネスコチェアキックオフシンポジウム」で英語司会を担当したことが刺激的でした。世界各地の生物圏保存地域を活用した教育のアプローチを知り、各地の理想と現実のギャップの度合いを比較する貴重な機会でした。また、Hult PrizeやFuture Sharkなどビジネスコンテストに出場し、モンゴル産のカシミヤを適正価格で取引するプロジェクトを実行しました。私生活では、馬頭琴というモンゴル伝統楽器の演奏会、AI、メタバース、政治、投資関連の通訳、モンゴル語教材の監修、留学生活応援合宿の運営などをしています。

あなたの将来の夢(卒業後の進路)を教えてください。

モンゴルの民族衣装、文化紹介の様子

将来の夢は、母国の草原景観の維持に貢献し、誰もが定住型都市生活と遊牧型移動生活の間を自由に行き来できる社会環境をつくることです。卒業後は大学院へ進学し、グローバルに研究・実証される環境事業(炭素貯留)の研究、この分野におけるモンゴル出身企業の日本企業との提携を目標にします。学部では自分に合った研究課題と具体的な当事者、協業スキームを見つけることができたので、次の5年以内に草原のカーボンオフセット事例をつくり、10年以内に実用化に向けたチーム構成、マネタイジングスキームを獲得して母国に拠点を移したいです。

受験生のみなさんへメッセージをお願いします!

世界中に数々の大学がある中で、今、YNUの都市科学部を見つけて、調べているというだけでDestinyだと思います。何か学んでみたい事、研究したい事、会ってみたい教授、やってみたいことが都市科学部にあるなら、是非入学してください!実際に入学した後には、想像もしていなかった喜びや学び、気づきが必ずあると思いますので、楽しみにしていて下さい!