プレスリリース
横浜国立大学大学院環境情報学府の卒業生の冨高まほろ(2021年度博士課程前期修了)、同大学院博士課程後期4年の岩知道優樹、同大学院の佐々木雄大教授は、都市緑地に対する人々の保全選好度を評価した論文を発表しました。
都市における典型的な緑地タイプである都市公園と里山における景観および植物群落の写真を撮影し、それぞれの写真に対して、保全選好度(緑地を保全・管理するための環境税の年額を想定した場合に、人々が支払う意思のある額)を問うアンケート調査を行った結果、人々の都市緑地に対する保全選好度は対象とする緑地タイプや空間のスケールに左右されることが本研究により世界で初めて明らかとなりました。
人々が表明した都市緑地に対する保全選好度は400~500円程度となり、現行する環境税の年額(たとえば、横浜市みどり税)に比べて低い水準となっています。このことは、日本の都市緑地の持続的管理を効果的に進める上で、財源の確保が喫緊の課題の一つであることを示唆しています。一方で、生態系や生物に関する知識や幼少時の自然体験が豊富な人ほど保全選好度が高いことも本研究から明らかとなりました。都市緑地の保全・管理に要する社会的なコストへの理解を広めるためには、環境教育や自然体験の確保が必要不可欠であると考えられます。
本研究成果は、国際科学雑誌「Land Use Policy」に掲載されました(2022年10月27日付)。
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