環境リスク共生学科には、新入生向けにフィールドワーク体験科目「環境共生フィールド演習」があります。この科目を通じて、新入生は互いに交流を深めるとともに、本学科の教員の多様な研究分野を体験します。

2019年度は、4月20日に三浦半島のYMCAグローバル・エコ・ヴィレッジにて自然系を中心とする実習を、5月11日に川崎市の京浜臨海部と横浜市のみなとみらいを拠点に都市の環境や社会に関する実習を行いました。

実施に際しまして、多くの地域の方々にお世話になりました。ありがとうございます。

**三浦演習**

YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジは、海と森の豊かな自然環境の中にあり、自然系のフィールド体験として絶好の場所です。

近年話題となっているマイクロプラスチックを中心に、環境汚染について学びました。まずは浜辺でゴミ拾いから。

採取した砂からマイクロプラスチックを分離している様子。

磯の生態環境について学びました。想像以上に多様な生物が生息しています。

不思議な生き物にテンションがあがる学生(とそうでない学生・・・)。

地質調査のグループ。学んだ後は単なる「岩」ではなくなります。これぞ大学。

浜辺で土壌動物の生態を学ぶグループ。偶然レアなダンゴムシを発見。案内してくれた大学院生(輪の中心)の「楽しむ姿」が大学の面白さを伝えてくれます。

無秩序に見える森林にも様々な法則があります。学ぶと世界が変わる。

クライミングが得意な教員による木登り実習。木々のデータを収集する大事なスキル。これは楽しそう。

**川崎・横浜演習**

今度は大学の周辺に移動し、川崎市の京浜臨海部と横浜市のみなとみらいがフィールドです。いずれも川崎・横浜の産業と市民の生活を支える拠点です。

川崎市殿町エリアでは、川崎キングスカイフロント東急REIホテルの方々にご協力頂き、水素エネルギーのホテル利用に関する実証実験施設を見学しました。原料には近隣のプラントから排出された使用済みプラスチック由来の低炭素水素を活用しており、資源の地域内循環を高める試みです。

ホテル裏では、重化学工業で栄えた京浜臨海部の新たな産業活動について学びました。

川崎火力発電所では、株式会社JERAの方々にご案内頂き、世界最高水準の発電効率を有する迫力満点の発電施設や蒸気の再利用の実態について学びました。

みなとみないでは、横浜市住宅供給公社の方々から、福祉や防災、地域コミュニティなど複数の地域課題に対応した新しい住宅プロジェクトについてヒアリングしました。教員よりも鋭い質問をする学生たち、いいね。

街路樹を調査する都市生態系グループ。都市の自然環境も人間の暮らしと深い結びつきがあります。

都市計画・防災グループでは、みなとみらいを歩きながら、防災計画についてリアリティをもって考えました。

横浜市新市庁舎をはじめ、開発の加速するみなとみらい。地域の新たな魅力の発見を求めて、水辺環境を中心に学生が教員と散策しました。

自然と社会、それぞれにルールや法則があり、専門分野ごとに学び深める楽しさがあります。同時に、環境の持続可能性や経済・社会の安定性など、時には対立する複数の課題の解決を求める場合、自然と社会のつながりや異分野への理解が必要となり、分野横断的な学習が欠かせません。この演習科目は、多様な分野を個別に体験することが中心でしたが、これから新入生は、各専門分野の科目と同時に、分野横断的な科目を履修することになります。